18世紀頃までは、フルートと言えば縦笛(リコーダー)のことを指しており、横笛のフルートは当時はフラウト・トラヴェルソと呼ばれていました。ドイツ人のフルート奏者であり製作者でもあったテオバルト・ベームが本格的な改良を行い、現在のフルートの原型となるベーム式フルートを開発します。
完成当初は普及しなかったものの、後に音楽院などでベーム式フルートが導入されるようになり、これまでのフラウト・トラヴェルソからベーム式フルートの人気が高まり主流となったのです。
フルートの材質は木製、洋銀、銀、金、プラチナなどに分けられ、それぞれ違った音を奏でてくれます。
⇒ 木製
木製フルートのほとんどが、クラリネットと同じグラナディラが使用されています。
2種類のタイプがあり、管の厚みのあるタイプは古風な音を奏でます。管が薄いタイプは音色も軽く、金属管と同じような感覚で吹くことができます。
⇒ 洋銀
胴、亜鉛、ニッケルの合金で、フルートの材質の中でも最も軽く、明るくて輝かしい音質が特徴と言えます。値段も比較的に安く購入できるので、初心者の方におすすめの材質です。 20世紀最大の巨匠、マルセル・モ イーズはこの素材のフルートを愛用していました。
⇒ 銀
重層で深く柔らかい音質で豊かな音色を表現でき、音色に変化をつけやすい材質です。
音の伸びや安定感を求めている方におすすめです。
⇒ 金
金の純度によって全く異なった音色になります。純度が高くなるほど技術が必要になり、演奏の表現に限りない可能性を追求することができます。
⇒ プラチナ
希少価値が高く、非常に高価な材質です。音の透明感、明瞭さ、音の伸びなどは申し分ない材質と言えますが、加工が困難なこともあり装飾品として活用されることが多いです。